ばちらぬん
与那国島とあなたと何処か、繋がるのはあなた次第
予告編
作品紹介
日本最西端の与那国島には消滅危機の言語がある。
日本の端で静かに忘れられようとしている言葉、文化、歴史を私達はどこまで連れて行けるだろうか。
場所超え、時を超え、次元を超えて繋がりたい。生命力溢れる半ドキュメンタリーファンタジー。
映画/2020年/78分/カラー
お知らせ
第43回PFFにて東盛あいか監督『ばちらぬん』がグランプリを受賞しました!
東盛あいか監督インタビューや、東盛あいか監督と工藤梨穂監督による特別対談などを収録した「PFFグランプリ 監督特集」を公開しております。受賞に合わせて、ぜひこちらもご覧ください。
京都芸術大学映画学科 卒業制作展のアフタートークを録画配信しています。
出演:
東盛あいか『ばちらぬん』(監督・俳優)
崎元俊壱さん(監督の幼馴染)
水見拓磨さん(監督の恩師)
監督
CAST
山本 桜
Sakura Yamamoto
1998年生まれ 大阪府出身
駅の殺陣の授業風景の広告ポスターをきっかけに京都芸術大学入学
好きな映画はLalaland
主な出演映画は『EFFECT ON』余田慎太郎監督
作品へのメッセージ
始まりから終わりまで、ずっとドキドキが止まらない映画です。タイトル、めっちゃかっこいいですよね。
与那国島の青い海、他国から流れてきた漂流物、生き物たち、一つ一つが生きています。
この作品が、皆様の心の中の何かを動かす力、生きる原動力、になればとても嬉しいです。
三井 康大
Kota Mithui
1998年生まれ 大阪府出身
仮面ライダーを心の支えに幼少期を生きる。兄にとって自慢の弟になるのが目標。
与那国や石垣への旅行をきっかけに沖縄の虜に。
出演作:唯野浩平監督『ムチノセカイ』警官役
藤野昭輝監督『うつしびと』主演
松永侑監督『トータス、泳ぐ。』主演
作品へのメッセージ
監督とは一年生の頃から与那国で撮影をしようと話していたので、コロナの影響で与那国ロケに行けなくて残念でした。前期はロクに大学の人と会えず、溜まりに溜まったフラストレーションをこの撮影にぶつけました。
京都では10日間という短い撮影期間でしたが、4年間で1番しんどい現場であり、4年間で1番楽しい現場で、クランクアップの時は寂しかったです。
監督の編集で与那国の自然と京都の街がうまく溶け合っていると思います。
コロナ禍だからこそ生まれた幻想的な作品です。是非ご覧ください!!
笹木 奈美
Nami Sasaki
1998年生まれ 福井県出身
昔から大のテレビ好きではあるが、映画学科に入学してから映画の魅力を知るようになる。
主な出演作品は『告』『てれすこ』小寺智也監督、舞台では『忠臣蔵』(カギカッコ企画)などがある。好きな映画は『宮本から君へ』憧れの女優は片桐はいりさん。
作品へのメッセージ
与那国島出身のあいか監督に出会い、初めて与那国について知ること、知ろうとすることが出来ました。
残念ながら、私は撮影で与那国島に行くことは出来ませんでしたが、映画の中で沢山の人や、自然、動物達に出会い、「あ、この瞬間、どこかで見たことがある」というような感覚になりました。不思議な体験です。
皆さんも、自由な感覚で楽しんでみてください。
石田 健太
Ishida Kenta
1999年生まれ 兵庫県出身
地上の空気を早く吸いたくて、予定よりかなり早く生まれた男。乳児の頃は凶暴過ぎて、両親曰く、まるで怪獣のようだったらしい。
果たして、どんな人間になっていくのか…
代表作は、『嵐電』鈴木卓爾監督 有村子午線役。他にも多数の自主制作映画に出演。
作品へのメッセージ
『ばちらぬん』に参加した年は、色々な変化があった。だが、この作品の世界にいると、自分や周りに起こっている変化が巻き戻され、一時停止させられる。
この作品の世界が持つ特殊な空気が、呼吸ができない私を包み込み、忘れ消えゆくものをみつけさせてくれるのだ。
この作品の空気に、皆んなも、包みこまれてみて欲しい。
STAFF
撮影・照明:温少杰、東盛あいか
撮影照明助手:西川裕太
録音:西垣聡美、村中紗輝
録音助手:笹木奈美、木村優里
美術:笹木奈美、東盛あいか
衣装:平井茉里音、山本桜
メイク:山本桜
制作:木村優里、三井康大
メイキング・スチール:西川裕太
カラーグレーディング・VFX:温少杰
企画・脚本・編集・演出・監督:東盛あいか
与那国出身者として懐かしい景色、懐かしい人々。でも聞き取れない方言。
色んな感情が押し寄せてきて、言葉にならないです。
最後どぅんたで締めてたのもなんとも言えない。
感無量!それだけです。
素敵な作品をふがらっさゆー。
ハジチや漂流物を東盛さんが包み込んで引き受けるシーンがとても優しくて。そして、透き通るような眼差しが忘れられません。
この映画から、与那国にとても興味が湧き、それと同時に考えさせられます。
スピードは違えど、世界中で消えてしまいそうな言葉や文化、人との繋がり方があります。
私の故郷でも、もっと身近でいえば所属する組織でさえも。時代や周りの変化、気に留める者がいない、受け継ぐ者がいない。今目の前に素晴らしいものがたくさんあるのに、溢れ落ちていくことのなんと多く、寂しいことか。歴史を尊び、そこに営む人々の想いをうけとり、文化を守ったり、大切に残していける仕事がしたいと、子供の頃思い立ったことを、思い出させてくれました。
大学のサークル関係で竹仁オジー夫婦に大変お世話になったものです。与那国は第二の故郷だと思っています。
ドキュメンタリーとフィクションが織り交ぜられ、一見しただけでは分かりにくい作品ですが、監督の与那国島を思う気持ちが伝わってきます。私が最初に訪れた1990年から自然、言葉、芸能が変化していくのを感じています。それを伝えてきた人たちも、ひとり、ふたりと唐旅へと旅立たれて行かれました。
変化は哀しいけれど、それでも残そうとして監督をはじめとした方たちの存在に少し安堵しています。また、違う切り口の作品も楽しみにしています。
命ぬある間や 問やいしゃびら
オジーがさらに元気で長生きして、これからも会えますように。
島の言葉、伝統、文化、そして営々と続いてきた人びとの営み・・・忘れてはならないものだと思いました。おばぁから話を聞く中で流す少女の涙と、その後の「ばちらぬん」のセリフに、その強い思いを受け取りました。それは島に限らず、何人であれ、その生の一つひとつについて、それぞれにつながるものへの忘れてはならない思いがあるはずだとも。映像もきれいでした。
生きるということは命を頂くということ。命どぅ宝。なんて言ったらいいんだろう。忘れてはいけないけど忘れてしまっていたもの、ご飯を食べるときの「いただきます」の挨拶以上の意味を深く考えたりもした。
島の人々は常に命を感じて生きている。生活の中に自然とある命の尊び、そして儀式。
途中道じゅねーの様子もあったが、あれも先祖の霊を迎え送り出す大切な儀式。形式化しないように私たち世代がちゃんとその意味を理解して受け継がなければいけない。
今はネットで調べたらなんでも分かる。でも知識として分かっても心でわからないと意味がない。
人々が何を思い、何を考え、何を大切に、生きて生きて生きて今の私たちに繋がっているのか、目に見えない、言葉でも伝わりきらないこの大切なものを残していきたいというような気持ちが伝わった。
その澄んだ考え方や想いが映像にもよく出ていたと思う。
昨年から東盛あいか監督のSNSでの発信をずっと読ませていただいていました。この映画は監督がずっと発信し続けたもののピースがここで全て繋がったと感じました。少しでも大きなスクリーンで観たくてテレビにミラーリングしての鑑賞になりましたがオープニングから与那国島の美しさに圧倒されました。本当に大きなスクリーンで観たい作品です。とにかく色がすごい。碧、赤、黄色、緑、、、。映像美が素晴らしい。与那国島の人々の暮らしや歴史や風習の話、与那国島で流れていく時間と一方で別の空間で流れていく時間がそれぞれにリンクしていく面白さ。クバ笠の青年がいろんなものの匂いを嗅ぐのは時の記憶を追いかけていたのか?
与那国島方言で語られる言葉一つ一つが尊くて、詩的で、哲学のようで。
ラストのタイトルから伝わってくる力強さと決意。
エンドロールを見て、あいか監督が何役もこなされていた事、大拍手を送りたいです。
素晴らしい作品、たくさんの人に観てほしいと思います。
まだまだ卒展始まったばかりなので後何回もリピートさせていただきます。
セリフ自体は少ないのに、映像や雰囲気で一気に世界に惹き込まれました。なかなかみない珍しい作品が見れてよかったです!!!
最後の方の「与那国の海の水は池のように優しいよ」という内容の言葉が「エッ!」と思うほどの優しさを感じました。
島の風景と京都撮影の風景が何の違和感もなく繋がって行く処に、心象風景や想いの表現が撮影場所を越えて表現できるんだと知らされました。
島の唄は継承されている様ですけれど、おばぁとの話しはほぼウチナーヤマトグチ・・・ナイチャーおじぃには何ともよう言わんゎ・・・でも伝えようとしている方々が居ることを忘れてはいけない。
持ち歩いていた白い骨をいつ投げ上げるのかと思っていたら(笑)火にくべましたけどあれは何故?
ラストシーンはカリガリ博士やドグラマグラを彷彿とさせました。
待ちに待った作品を配信ではあるけれど、ようやく観ることができた。
与那国のこと、伝統や儀式や色々なモノを受け継いでいくこと、自然や動植物と向き合うこと、おばぁとの会話、アサーの手仕事、まだまだ書ききれないけど素晴らしい作品。こんな大変な時期だったからこそ生まれた作品なのかもしれない。
監督、キャスト、スタッフのみなさん ふがらさゆ〜!